200703 令和2年7月豪雨 |
Heavy rain of July, Reiwa 2 |
災害の概要
- 場所 熊本県球磨川流域を中心とした東北から九州までの各地
- 時期 7月3日夜からの大雨は、4日未明に熊本県南部で線状降水帯を形成。翌日以降も九州を中心に大雨は続き、各地で被害。7月9日、気象庁はこの豪雨を「令和2年7月豪雨」と命名。7月中はその後も大雨があり。ほぼ収束までおよそ2ヶ月。
- 分類 豪雨
熊本県を中心に18県、最大約4万戸で断水。
日時 |
水道被害 |
対応状況 |
200703 |
|
|
200704 |
- 熊本県 12,454戸
- 宮崎県 244戸
- 鹿児島県 12,832戸
|
- 官邸対策室、内閣府災害対策室設置。
- 厚労省災害情報連絡室設置
- 熊本県災害対策本部設置、自衛隊に災害派遣要請
- 鹿児島県災害対策本部設置
- 日水協を通じ、他事業体による応急給水支援開始。
|
200705 |
- 熊本県 12,449戸
- 宮崎県 144戸
- 鹿児島県 4戸
|
|
200706 |
- 長崎県 3戸
- 熊本県 7,566戸
- 鹿児島県 256戸
|
|
200707 |
- 静岡県 490戸
- 長崎県 3戸
- 熊本県 12,261戸
- 大分県 1,380戸
- 鹿児島県 229戸
|
|
200708 |
- 宮城県 400戸
- 長野県 125戸
- 岐阜県 306戸
- 静岡県 140戸
- 愛知県 5戸
- 山口県 10戸
- 長崎県 208戸
- 熊本県 10,787戸
- 大分県 3,097戸
- 鹿児島県 159戸
|
|
200709 |
- 長野県 4戸
- 岐阜県 287戸
- 静岡県 170戸
- 山口県 1戸
- 熊本県 2,892戸
- 大分県 3,097戸
- 鹿児島県 121戸
|
|
200710 |
- 岐阜県 287戸
- 静岡県 170戸
- 長崎県 14戸
- 熊本県 2,806戸
- 大分県 1,591戸
- 鹿児島県 121戸
|
|
200711 |
- 長野県 36戸
- 岐阜県 16戸
- 高知県 36戸
- 長崎県 14戸
- 熊本県 7,631戸
- 大分県 1,591戸
- 鹿児島県 121戸
|
- 熊本県山鹿市で、新たな土砂崩れに伴う水道管破損により断水約5000戸。
|
200712 |
- 岩手県 139戸
- 長野県 12戸
- 岐阜県 10戸
- 長崎県 14戸
- 熊本県 18,023戸
- 大分県 941戸
- 鹿児島県 41戸
|
- 熊本県八代生活環境事務組合(八代市、氷川村)で、氷川ダムからの送水が濁水により停止。断水10,242戸。
|
200713 |
- 岩手県 139戸
- 熊本県 2,545戸
- 大分県 941戸
- 鹿児島県 41戸
|
|
200714 |
- 岩手県 139戸
- 島根県 48戸
- 広島県 80戸
- 熊本県 2,278戸
- 大分県 290戸
- 鹿児島県 41戸
|
|
200715 |
- 広島県 80戸
- 熊本県 2,103戸
- 大分県 315戸
|
|
200716 |
|
|
200717 |
|
|
200718 |
|
|
200719 |
|
|
200720 |
|
|
200721 |
|
|
200722
-0723 |
|
|
200724
-0726 |
|
|
200727 |
|
|
200728 |
- 秋田県 15戸
- 新潟県 103戸
- 熊本県 822戸
- 大分県 32戸
|
|
200729 |
- 宮城県 10戸
- 山形県 5,501戸
- 熊本県 762戸
- 大分県 32戸
|
|
200730
|
- 山形県 5,484戸
- 熊本県 762戸
- 大分県 32戸
|
|
200731 |
- 山形県 5,484戸
- 熊本県 698戸
- 大分県 32戸
|
|
200801 |
- 山形県 5,429戸
- 熊本県 698戸
- 大分県 32戸
|
|
200802 |
|
|
200803
-0805 |
|
|
200806
-0811 |
|
|
200812
-0818 |
|
|
200819
-0825 |
|
|
200826
-0830 |
|
|
200831
-0902 |
|
|
200903 |
|
|
被害の状況
水道が受けた被害
- 宮城県丸森町取水口(昨年の台風19号被害により仮設)、土砂流入により閉塞。
- 宮城県松島町水道管、河川のり面が崩壊して露出後落下。
- 山形県新庄市畑地区取水施設、浸水により運転停止。
- 山形県舟形町堀内橋橋梁添架管、流木衝突により漏水。
- 岐阜県下呂市橋梁添架管、河川増水により破損。豪雨災害による通行止めで復旧に支障。
- 静岡県浜松市大滝浄水場導水管、土砂崩れにより破損。
- 長崎県大村市梁添架管、流出。
- 熊本県人吉市橋梁添架管、流出。
- 熊本県芦北町水源取水施設、水没。
- 熊本県五木村水源、がけ崩れにより使用不能。
- 熊本県山江村水源ポンプ、浸水。
- 熊本県相良村送水ポンプ、落雷により停止。
- 熊本県あさぎり町岡原第一浄水場、停電・取水施設被害・土砂災害により立ち入り不可。。
- 熊本県あさぎり町岡原第二浄水場、高濁度表流水取水による故障。
- 熊本県あさぎり町送水管(岡原第一浄水場〜配水池)、流出・土砂流入。
- 熊本県球磨村橋梁添架管、破損。
- 熊本県湯前町橋梁添架管、土砂崩れにより破損。
- 大分県由布市庄内簡易水道小ヶ倉浄水場・東部簡易水道影戸浄水場取水口、浸水。
- 大分県玖珠町下泊里橋橋梁添架管、流出。
- 宮崎県えびの市橋梁添架管、破損。
- その他水道管等破損多数。
水道による二次被害
対応と対策
平時の備え
- 山形県村山広域水道は、2013年の濁度上昇による断水を受けて設置した関係機関による対策会議での調整により断水回避。
応急対策
- 日水協を通じ他事業体、自衛隊、第一環境、ヴェオリア・ジェネッツ等民間企業が給水支援。
- 日水協を通じ他事業体、第一環境、ヴェオリア・ジェネッツ等民間企業が人員派遣。
- 明和工業が要請により仮設配管を、新潟県1事業体、長野県1事業体、熊本県5事業体に緊急出荷。
- 熊本県人吉市、コロナ禍の影響でポンプ調達に支障。熊本市が仮設ポンプと固形塩素剤提供。
- 安部日工業のボトル水提供等民間企業による支援。ボランティアによるペットボトル配布。
抜本対策
- 厚労省は「水道管の流失のような大規模な被害は各地で発生する可能性がある」として、水道管の補強などの検討を自治体に求める。
教訓
- 近年の災害同様、災害の激化に伴い、現有施設の強靭性の限界を超える土砂災害や河川の氾濫に見舞われたと言える。
- バルブ操作と水運用で断水被害を最小限に抑えた例も。斜面崩壊で水道管が露出・破損するケースでは、管が道路下の山側にあるか川側にあるか、橋梁添架管で橋の上流側にあるか下流側にあるかが大きなファクターとなる。(201005
水道産業新聞・金沢大宮島教授説)
|
災害データベース
備考・出典
更新履歴
|